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2020/06/27 18:29


4年に一度開催される「全国鰹節類品評会」にて、日本一の証である農林水産大臣賞を受賞したことがある『やま十増田商店』さん。
(以下、やまじゅうさん。)


いつ伺っても思うのは、本当に手間がかかっていることと、本当に美味しい香りがする工場ということです。
鰹節の原材料は、鰹のみ。ごまかしの効かない商品です。

やまじゅうさんでは、巻き網漁のものと、一本釣りのものと、両方を鰹節にしています。
巻き網漁は、一本釣りの物に比べれば安価ですが、冷凍技術の上がった近年、鮮度の良い鰹が水揚げされるようになりました。


そんな鰹ですが、やまじゅうさんは、そのなかでも出来るだけ鮮度の良いものを仕入れています。
今日は、そんな鰹のはなしを、やまじゅうさんから伺います。

①同じ巻き網の中でも、鰹の鮮度が違う。
巻き網漁は大量の鰹を捕獲します。
時間を掛けながら順番に船に揚げていきますが、最初に水揚げ・冷凍されたものと、最後に水揚げ・冷凍されたものでは時間差が生じてしまうため、鮮度が異なります。
やまじゅうさんでは、できるだけ鮮度の良い鰹を仕入れます。

②市場の競りでは、質と鮮度に妥協せず仕入れる。
やまじゅうさんは、鮮度の良い鰹を原材料として仕⼊れています。
⼀⽅で、⼤⼿さんは、安定した価格や物量を重視しなければならないため、価格や量に重点を置いた仕⼊れが⼀般的です。
上記の①で書いたように、同じ巻き網でも、魚の質や鮮度にムラがあるため、高くても納得のできる鰹だけを見極め、少量ずつ仕入れています。


鮮度の良い冷凍鰹も、解凍時の温度を誤ると鮮度が下がってしまう。
仕入れた鰹を解凍しながら、鰹節にする作業をしていきます。
ただし、あまり解凍をしすぎてしまうと、鰹の鮮度が落ちてしまうことがあります。
大手さんでは気が付けない細かいことも、やまじゅうさんでは手作業により細かい管理をすることができます。


このあたりが、おいしい鰹節をつくるうえでの土台となっています。


やまじゅうさんが、小さな工場と言っても、1日捌く鰹はおよそ1トン。
1トンの鰹を1匹ずつ手作業で捌き、鰹節にしていくため、とても時間と手間がかかります。
大手メーカーさんは、その何十倍もの鰹を鰹節にしていくので、現実的に細やかな管理がしにくくなる傾向があります。

次回は、鰹節をさばいて、燻すまでの工程について、やまじゅうさんに伺います。
安定して美味しいものをつくる、やまじゅうさんの商品は、是非一度食べて頂きたいと思える商品です。

丁寧に鰹節をつくるやまじゅうさん。
その中でも、特に質や形が良いモノが、更に手間と時間をかけて本節になります。
そんな、やまじゅうさんの本節がこちら。